

その力を借りる代償は、幸福な記憶――。
子豚と見紛うばかりの子狼姿をしたジャンバラという名の記喰いの悪魔を憑かせた騎士、ラシッドに求婚したのは、何と一国の姫君、エミーメ姫。
悪魔の件は、彼以外誰も知らない――が、「単なるいい人」でしかない彼と姫との結婚に、当然周囲は――侍女のノアもいい顔をしない。
そんな中、式の前に、魔道士が現れ、姫をさらってしまい……、それを助けるためラシッドは一人馬を駆る……。
ある意味王道なストーリー。
彼女をさらった魔道士と戦うため、悪魔に記憶を差し出し、傷つきながら姫を追う。
色々ヘタレ気味な騎士様と。
芯の強いお姫様と。
あんまりに残念すぎる誘拐犯。
何だかんだで人のいい――というか悪魔のいいジャンバラと。
人がいいのか悪いのかよくわからない誘拐実行犯の魔道士と。
それぞれのやり取りが楽しいです。
正直ヘタレ騎士様よりジャンバラの方が楽しいけど……。
しかも、本当に格好いい台詞を吐くのは騎士様ではなく姫様とか……。
まあ、悪役にさらわれて、「きゃあ、助けて」っていうだけのお姫様はあんまり好みじゃないので。
こういう方が私的には好きなのだけど。
騎士様のヘタレ具合がなぁ。もうちょっと格好よくても……、と。思ったり。
まあ、読み切り作品なので、さらっと読むには充分かな?
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