

血を吸った相手の記憶を奪う特殊能力をもった少年吸血鬼――。
普通に狩りをするにはとっても便利そうな能力ながら……、好きな子が出来た瞬間、それは残酷な能力と成り果てる――、と。
彼の初恋は随分幼い頃。“普通に狩り”を覚える前に知ってしまった自分の能力の残酷さ……、と。
完璧少女漫画で、ストーリーはヒロイン目線で語られていくというのについつい表紙の彼目線で見てしまいたくなる、吸血鬼狂いの私。
一応誰の血でも吸えるけれど、一番吸血衝動を覚えるのは恋人相手。なのに彼女から血を吸えば記憶を奪ってしまう、と。
――正直言って、表紙のカラーイラストは好きだど、中身のモノクロ絵に関して、好みを言うと微妙、な感じはしたけれど。
この設定は好きだなー。
ただでさえ吸血鬼っていうある種障害ともなりうる要素があるのに、それにプラスで記憶を奪われる、というかなり重大な障害があって。
好きな相手を、忘れてしまう――。
確か吸血鬼関係なく、日々記憶が欠落していく病を抱えた人の話を読んだことがあったけど。
……ううん、血を吸われるたびに記憶がなくなるのを分かっているなら、毎日詳細に日記をつけたらいいんじゃないかなっ、て、私は思うのだけど。
血を吸うたびに、“誰?”と尋ねられるのは……切ないよねぇ。
けど、せっかくそういう設定にしたんだから、その障害をどう乗り越えて欲しかった……、+肝心の最初の出会い、ってところが何故かノベル調でぽつぽつ挟まってたのは何故なのだろう……?
そしてノベルっぽく入ってた“その後”、せっかくなんだからもっとしっかりつっこんで描いて欲しかったなぁ。
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