

吸血鬼モノ。海賊モノ。そしてもう一つ、私が好きなもの。――それは平安時代の貴族文化中心の時代物。
戦国時代や江戸時代、幕末から明治初期あたりではなく、「平安時代」というのがキモなのですが。
ドンパチやちゃんちゃんばらばらやるような時代劇は全く好みではないし、ちょんまげのお武家様やら町人・農民様がたが登場するよくある勧善懲悪モノのそれも正直げんなり、という具合なのですが。
何となく雅やかな雰囲気の漂う平安時代のお話、特に京の都辺りをモデルにしたようなお話が大好物なのです。
――まあ、特に好きなのは藤原道長様絶頂期前後の時代なのですが。……いえ、あの藤原道長が好きというわけではないのです。
ちょうどあの時代あたりに登場する人物たちって、色々魅力的な人物が大勢いらっしゃいますからねー。
安倍清明、蘆屋道満。一条天皇と定子、彰子姫、清少納言と紫式部。源頼光にその四天王。そして酒呑童子に茨木童子に……挙げればいくらでも出てくる、小説の登場人物のモデルにするには最高の逸材が揃ってますからね!
――と。前口上が長くなりましたが。
こちらは前述の人々とはあまり関係なく、あくまで平安京都風の世界、その御所にてのお話。
――それでもヒーロー様の苗字にはピンとくるものがあるのですが。
あまりにわかり易い不器用奥手ツンデレキャラ。あんまりにベタすぎておいおい、と突っ込みたくなる……。
けれど、京、そして妖。――さらに呪禁師とくれば大概が妖退治物語となりそうなところ、こちらは一風変わって薬師として妖の治療に当たる……、そんな話。
当然そんな役目に付けるような人間は多くなく、結果選ばれたのは主人公たち二人だけ、最初は仲が悪かったけれど、だんだん互いに惹かれて……。
その展開はまあベタだけど。
そうとうベタベタなヒーロー様と対照的に、ヒロインはなかなか個性的。
――そしてイラストが可愛い!
そもそもカバーイラストが可愛くてつい手を伸ばした一冊なので。
とりあえず火夏と黒護摩が可愛い。
表紙の折り返しのこの著者の過去作見てみるとどうもこの手のお話をよく書いてらっしゃる方のようなので。
お財布と時間に余裕があったらもしかしたら手を伸ばしてみるかも……。
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