

急転直下、という言葉がこれほど似合う巻もないだろう、と思うほどの急展開、です。
正直、前巻の最後で“あの”ゼノンがフリートヘルムに声をかけ、その手をフリートヘルムが取ってしまった時点で、既に波乱の予感は当然あったわけですが。
同じく前巻の最後でメルディ達前回の留守番組騎士と侍女候補が揃って計画した“レティの休日”という名目で、まずは一時、デュークとの恋を内緒で楽しもうとするほのぼので始まり、ページも半分以上進むまで、多少のハプニングはあれど、少うくともこの巻だけは、最後までめでたしめでたしで終わると……それこそゼノンはどこ行った、とすら思いたくなるくらい平和な話であったのに。
ちょっと思っていた、いつかのウィラードのあの言葉、少なくとも前半部分はまさに今回ぴったりはまってしまった感じ。
「“とあるむかつくお方”は、自身の欲望によっていつか追い詰められるでしょうが、王女殿下は自身の嫌っている甘い部分によって、いつか追い詰められたときに助けを得ることができるはずです」
まさに……です。
そして次からは、この後半部分がこれまで以上に生きてくるのではないかと。
むしろ心配なのは、かの“むかつくお方”ではない方の兄。
でもこれで、残る3つの枠が王子3人で埋まるフラグが立ったのではないかとも思っています。
少なくとも、フリートヘルムとグイードを二人とも救いあげるにはそれしかないんじゃないかな、と。
むしろ最後の一人とか、デュークとの決着とか、そっちのほうが気になる!
この展開、当然最終章突入、という事なので。
またお気に入りのシリーズが一つ終焉に向かうのは寂しいけど……、結末はすごく気になる!
この作者の別シリーズ、「神様になりまして」も面白いので、さらなる次シリーズにも少し期待してるけど。
……さすがにこれは気が早すぎるか……
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