

あああ、ボケナスバカボントリオめ……と。
上巻1話目のラスト、ホロリと涙せずにはいられませんでした……。
元々単行本で出ていて、その価格から気になりつつもなかなか手が出せていなかったこの作品が、この度ビーンズ文庫から出版されるとのことで、待ってましたとばかりに購入したんですが……。
なぜでしょう、Amazonでは角川文庫版の商品しか出てこなかったので、上のリンクの表紙絵はそちらのものなんですが。
まあ、中身は変わりない……いや、細かい加筆修正はあるらしいけど、大筋は変わらないはず。
とにかくこの上巻は、鄭悠舜と旺季の最期を描いた外伝が2本入っています。
そのどちらにしろ。
とにかく3バカトリオが酷い……。
元々は超有能という話だったはずの李絳攸と藍楸瑛に茈静蘭。
――まあ、その彼らも紅秀麗が御史台に配属されたあたりから徐々に色々ボロが出てきて、特に劉輝が都落ちして紅家に入るくらいにはもう、それは残念なお坊ちゃん方が、それでもなんとか頑張っているの図から、あの感動的な、五丈原のシーンへ繋がった……はず……なのに……。
頭はね……悪くないはずなんですが。
ええ、もちろん優秀・有能なのは間違いないんですが。
やっぱり、鄭悠舜や旺季の器と比べてしまうとまあ、浅はか……というか。
ちっとも劉輝心に添えていないという。
それを、最期の最期まで心配したまま逝った鄭悠舜のシーンは泣かずにはいられませんでした。
ついでに旺季の方では静蘭程ではないにしろ、タンタン君の貴重な助言を無視した秀麗がピンチに陥り、そこを旺季に文字通り命懸けで救われるという……
そして、さらに劉輝の心を分かる者が居なくなる……。
これを読む限り、これまで一番長く彼に添い、彼の心を理解していた秀麗の父、紅家新当主よりも、確実に悠舜の方が劉輝に近いという感じを受けるんです。
まさに、アニメに出てくる劉輝そのものが、まるっと、3バカトリオの為の顔だった、と。
まあ、当時の劉輝本人は実際考えが足りておらず、彼らと一緒くたに4バカだったから……だけど。
この外伝の時点では、もはや静蘭すらも劉輝の想いを汲めておらず、正直彼に藍楸瑛や李絳攸をどうこう言える資格はないな……と。
ちなみに下巻の主役はあの凌晏樹という事で。
まだ基本はまともに思える鄭悠舜と、あまりにマトモ過ぎる……というか残念な良い人の旺季の2本立てだった上巻より、恐ろしい展開が待っていそうで怖いんですが。
もう一篇、多分この話の本来のヒロイン、紅秀麗の最期の話なんだろうと思うので……。
まあ、買わないわけにはいかないよね……。
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