スーパーチューズデー。
アメリカなど欧米の話になると、何かと“なんちゃら曜日”という言葉を耳にするけれど。
このスーパーチューズデーが、後の歴史教科書に、愚と綴られるか、英断と綴られるのか。
本当に、あのトランプという人が、アメリカ大統領として演説する日が来てしまうのか、という山。
彼の過激な発言を主に支持しているのは白人の低所得者層だという。
移民が安い賃金で働くせいで、自分たちは職を奪われ、生活が厳しい。
だから、トランプ氏の発言が小気味良く聞こえる、という理屈らしい。
……例えば。
誤報でイラクを攻撃し、現地の人々の生活をめちゃくちゃにし、今も混沌とした状況にさせているのは、他ならぬアメリカで。
少なくとも最低限の命の保証はある白人たちのその言い分を、現地の人々はどう思うのか。
――もっと言えば、そもそもアメリカという国自体、ヨーロッパに住む白人、主に貴族階級の、家督を継げない次男以降の彼らが“新天地”を求め、原住民を追いやり“開拓”という名の侵略をした上で、彼らの故郷だった宗主国から独立した国。
独立した後も、古巣とも言うべきヨーロッパ同様、アフリカの黒人奴隷を虐げ、今もその名残が色濃く残る国。
もちろん、アメリカ独立戦争も、黒人奴隷解放宣言も、どちらも歴史の教科書で学ぶ史実で、既に時効の過去。
某国のようにいつまでもほじくり返して、反省と保障を求めるのはどうかと思う。
でも、だからといって、記憶から消し去っていいという事にはならないはず。
過去に自分たちが犯した間違いのしっぺ返しを受けている現状から目をそらして、“自分は悪くない”、“彼らが悪い”と言うのはいかがなものか。
そもそも“移民が安い賃金で働く”というけれど、それは雇い主が彼らに安い賃金しか払わないからそうなる事なのでは?
彼らの雇い主が誰なのか。一概には言えないだろうけど、でも普通に考えればアメリカ人だろう。
働き手の方は、とにかくお金がなければ衣食住が確保できず、生きていけないわけだから、どんなに少なくとも雇ってくれるならどこでも働かなければいけない状況なのだろうから、弱い立場で『給料上げろ』と迫ってクビにされるわけにはいくまい。
つまり、元はといえば、彼らを見下し、正当な賃金を支払わない、白人たちのエゴが、結局自分たちへのしっぺ返しとして帰ってきてるだけ。
本当に切り崩すべき、世界の富の大半を握る、ほんの一握りの人々から目を背けて、彼らに搾取される側の人々ばかり攻撃するトランプ氏がアメリカのトップに立ったなら。
ただでさえルール無視な中国との関係とか、ずっと不安定なままの中東情勢とか。
とんだカオスになりそうで、怖すぎるんですけど。
ホント、アメリカ人の良識を信じるしかないよね、こればっかりは。
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