

『蔦王』の作者、くるひなたさんの作品、という事で。
それでも、単行本の値段で買うには少々躊躇していたのですが。
この度、文庫で出版されたので、さっそくゲットしました。
……蔦王は、異世界に飛ばされた女子高生スミレがヒロインでしたが、今回は舞台となる世界の住人であり、皇帝を天井裏から見張る密偵だった少女がヒロイン。
先代皇帝ヴィオラントがヒーローだった前回と違い、今回は当代皇帝がヒーロー。
だから、ヒロインが仕事として命じられた、エロジジイの愛人役の話を潰し、自分のものにしてしまう事も可能だったわけで。
……と、ここまでは。天井裏に度々現れる某密偵さんと、皇帝の関係は、難なく察せられたのに。
最後に明かされたオチには、ヒロイン同様全く気づけませんでしたよ……。
色々難しそうなおっさん達が、ご都合主義に年下の小娘に陥落させられていくあたりは評価の分かれそうなところだけど。
今回のこれは、私的には十分許せる範囲内だったと思います。
ただ。ヴィオラントと比べてしまうと、今回のヒーローはまだまだ色々甘いんですよね。まるでルドみたい……。
で。……ルドとかヴィーとか、蔦王のキャラ名は出しておいて、なんで今作のキャラの名前は出してないのかといえば、最初から最後まで、名前が一切出てこないから。
最初の人物紹介のページにあるのも、「皇帝」、「少女」、「宰相」、「参謀長」……。ヒロインが可愛がってる猫だって「ボスネコ」。
元が短編とは言え……
単行本では2巻まで出ているのに。まさか名無しとは……
話は面白かったけど。
そっか……。こういうのもアリなのか……。
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