

舞台は京都。百人一首をテーマにした話。
――はい。百人一首です。……ただし、それは「ちはやふる」のちはやが好きそうな競技かるたとしての百人一首ではなく、かなちゃんが食いつきそうな、歌の意味やら背景やら作者の裏側やらといった方の話。
だからこそ。
この一冊に、いったい何首の歌を詰め込んだんだろう? と、表紙をめくるまでは思っていたのですが。
……意外と、少なかった。
百人一首に関する貴重な書物から逃げ出してしまった、「うた猫」が憑いた人を探して、書物に戻す――その方法が、うた猫の歌の意味から、憑いた人物の悩みを読み取り、それを解決しながら、歌のさらなる裏の意味に触れていく。
読めば読むほど、なんとかなちゃん好みな話かと思う系の作品です。
ただ。この一冊で戻ったうた猫はたったの4匹。――つまり、残り96匹。
……続く、んだろうか、これ。
一巻は、面白かった。けど、続けるつもりなら一体何巻出すつもりなのだろう……。もしも2、3巻でまとめて、最後にごちゃっと適当に詰め込むくらいならこれ一冊でおさめたほうが……とも思うし。
今回テーマになっていたのは、わりと見知った歌――というか、モロ在原業平さんの歌が出てきてたわけで。
在原業平の百人一首歌といえば……。もちろん、「ちはや」。
そのオチは……なかなかに。まあ、つまり面白かった、という事で。
今後に一応、期待、は、しとこう、うん。
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