……イザナ殿下の側近、ザクラ様の存在が綺麗に消されていたな――。
最終話まで見て、成る程、そういう話運びをするか……と。
話数的に、ラクスド砦のエピソードあたりから、どう持っていくつもりなのかと思っていたところ、ゼンがいよいよ白雪に告白しに行こうという時に入るはずのミツヒデの回想が突然入り、「アレ?」とは思っていたけれど。
キハルとポポエピソードに続く告白イベントはやっぱり入ってきたけれど。
ざっくり削られたタンバルン里帰り編の直前のエピソードのはずの城下お忍びお出かけ編と、海の鉤爪編の後の帰国後エピソードのはずの王城一般公開イベントをいっしょくたにして最終回に持ってくるとは……、流石に予想してませんでした。
あれ……、オビが白雪に上げた武闘大会の優勝賞品の髪飾り、あれをゼンが褒めてるシーンのエピソード、結構後々まで響いてくるある種大事なシーンなのに!
「オビが白雪につく理由」になったはずのスパイくん確保のエピソードはゼンからオビにすり替わっているし。
キハルとポポの一見、あれに立ち会っていたはずのザクラ氏がハルカ侯にすり代わり、オビがココクの見張り台に行くタイミングも違えば、湖に飛び込む白雪を彼が見つけるタイミングまで、細々した違和感……。
最後まで、絵がすごく綺麗で、そういう面では評価するけど。
そして、どんな作品でも1クールに納めるために、多少のセリフやシーンのカットや改変が必要なのも理解するけど。
「ええ、そこをそういじっちゃうの??」という点が後半、ちょっと多かったな……と。
それ以外は満足……――正直なところを言えば、ここで切っちゃうと初めは「最低最悪」なラジが、途中「白雪に叱られ」ただけで終っちゃってるからなぁ……。
海の鉤爪編で見られる、ラジの成長の兆しや、「王家の友人」からの、イザナの戴冠式あたりの、当初の姿を思うと別人のようにすら思えるラジの成長ぶりの一端が見られず、「うつけ王子」で終わってしまっているのが……やっぱり惜しいなぁ。
まあ、12話にそれだけ詰め込もうというのは流石に無茶だと分かるからこそ、2期……あるのかなぁ、って思いますよね。
特に、アニメに出てきた「巳早」の名前があるだけ、余計に。
ここで切るなら、わざわざ名前を出す必要もないはず。タンバルン編で再登場するから必要な名前のはず。
だって、あの時点で原作では彼の名前なんか出てきてないわけですから。
「お嬢さんが髪を隠す理由」をオビが尋ね、「阿呆がいて困る」とゼンが返すシーンも、あの色々ごちゃまぜ改変最終回の中にあって、削られていなかったあたりも、彼を暗示していて……。
制作側も2期を睨んでいるのかな、と思いたくなる……けど、だったらなんで『王城開放』を今に持ってきた、という疑問もある。
あくまで「ゼンと白雪の今の距離」というのを見せたかっただけなのか……。
もしも2期があるのなら、間違いなくメインが“タンバルン海の鉤爪編”、続いて「リリアス編」くらいまでだろうか?
それともイザナ殿下の戴冠式から白雪とリュウにリリアス行き辞令が出るまでやるかな?
「神様」も2期あったし、是非「赤髪」も2期作って欲しいなぁ。
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