

……プログレッシブシリーズではなく、本編だというのに、ほぼ1年越しの新刊。
いざ、アスナ様ご出陣! というのが前巻のラストなだけに。そして今巻のこの表紙イラストからして、序盤からぶいぶいいわせてくれるものと思ったけれど。
いや、序盤はアスナのアの字もなく。キリトも出るには出るが、未だ自失中。
故に、整合騎士が中心となって、各衛士らが、まごう事なき“戦争”をする様が描かれ……、アスナがその戦場のピンチにまさに神のごとくご降臨あそばすのはページ数も4分の3ほど消化した、中盤も過ぎた頃。
……そして。さて、どうなる事かと思っていたアリスとアスナのご対面は……、やっぱり手放しにほのぼのしたものにはならず。むしろ一触即発……。
キリトの意識があれば、絶対彼女たちの後ろで青くなってあわあわ言ってたでしょうね、という修羅場に。
――幸い、直後に大変強制力のある仲裁が入ったため、血を見ることなく結果的には穏便に運びましたが。
物理的な武器をもっての鞘当は確かにそこで終わりましたが、当然女同士のお話し合いがそれで終わる訳もなく、深夜の第2ラウンドには、我も我もとロニエやリーナ先輩までもが参加、それぞれの持つキリト情報の交換を始める――という。
これまた、普段のキリトがその場にいたならきっと、大変居た堪れなくなるだろう会話が交わされたに違いなく……。
でも、アスナにちらっと会っただけでは、彼は戻りませんでした……。
けど。現実世界ではそれ以上に多い気な動きが……。
というか、とうとう明かされた、『ザ・シード』の目的……もとい、茅場晶彦の狙い。
『ザ・シード』の目的こそが、『アリス』だという……。
『ザ・シード』を下敷きにした世界だと、このアリシゼーション編の序盤から分かっていた事。
それが、どういうことなのか。
――アミュスフィアでも、ダイブは一応可能であること。
そして、ザ・シードで作られたVR世界同士なら、キャラクターアカウントのコンバートが可能なこと。
SAOから始まり、今に至る。……アリシゼーション編のみならず、ソードアート・オンラインシリーズの結末が、見えてきました。
今回は、ユイの大手柄です。少なくとも、キリトが菊岡に拉致されラース本部に連れ去られてからこっちの現実世界でのアレコレ全て、ユイが居なければどうなっていたことか……。
何より、そのユイが『アリス』を称したセリフに、『アリス』ってつまり、彼女もまたキリトの娘みたいなものなんじゃないの、と。
何しろ、VRMMOの申し子みたいな人ですからね、桐ヶ谷和人は……。
成り立ちは全く違えども、AI同士、異母姉妹みたいな……ね。
クライン、リズベット、シリカ、エギルというSAO仲間を加えて、どこに着地点を置くのか、ますます楽しみ……、となったところで、一つ、最大の懸念。
……まさか、また次巻は一年後、などとは言わないよな? と。
――かといって、プログレッシブの次巻の発売日をずらしてまで本編を発刊して欲しいか、といわれれば……否。
プログレッシブだって、一年待ったんだし。
本編、アクセル・ワールドと交互に隔月なら、4ヶ月おきで、プログレッシブ挟んでも、ホントは4月に今巻読んでたはずだったんだからなぁ。
わがままを言うなら。10月に次巻、12月にプログレッシブが出てくれたら万々歳なんだけどなぁ。
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