埼玉県所沢市で15日、航空自衛隊入間基地に近い防音校舎の小中学校にエアコンを設置すべきかどうかを問う住民投票が行われた。即日開票の結果、賛成が5万6921票で反対の3万47票を上回ったが、投票率は31.54%にとどまり、市条例の「多数票が投票資格者の3分の1以上」の条件を満たさなかった。
毎日新聞 2月16日(月)0時55分配信(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150216-00000000-mai-soci&pos=4)
所沢市民どころか東京都民な私としては、ほぼ関わりのない一件。
けれど、少し前にとある道路を作る計画への賛否を問うとして行われた住民投票で話題となり、結果投票率自体が少なく、結果、賛否の票のどちらが多かったのかさえ明らかにされなかったという小平市在住の私としては、小中学校にエアコンが必要か否か、という投票のご名目は別として、選挙そのものには少し興味を持っていましたが。
結果は、ご覧のとおり。小平の一件と違うことといえば、賛否の票、どちらが多かったかきちんと公表された、ただそれだけで、結局投票率が低くて、「投票数の6割以上を賛成が占めたという結果について、市として軽視できないとの見方もある」と言いつつも、選挙自体法的拘束力がないという、法的には無効選挙というべきもの。
『藤本正人市長は「結果については、これから内容分析などを行うが、これまで国内の自治体で実施された住民投票と比べてみて決して高くない投票率だったのは残念」とのコメントを出した。』
つまり、小平市の道路にしろ、所沢市の“学校にエアコン”にしろ、興味のない、または直接関係のない人が投票に行かなかったが故の数字、ということなんでしょう。
最近では、本来は直接自分に関わってくるはずの衆院・参院選挙や都道府県知事の投票率さえ低い今。
これにかんしては、“政治に興味のない人が増えた”と、毎度のように言われる事。
そして今回の所沢の住民投票で、その結果に興味関心があったのは、おそらく小中学校に通う子供と、その親、そして先生たちでしょう。――ただし、本当の当事者であるはずの子供たちって、この選挙に投票できたんでしょうか?
……まあ、普通選挙権は二十歳から、世相に先立って、十八歳を採用したとしても――十八では早くても高校三年生。
そして、所沢市の小中学校に現在勤務する先生方の果たして何割が所沢市在住で、その市民権があるのでしょう?
私の母も、かつては所沢市勤務の小学校教師でしたが、当然私と同じく東京都民です。
だから、おそらく今回投票に赴いた30%のうちの大半が、小・中学校に通う、もしくは近い将来通うことになるだろう子どもを持つ親御さんたちだったんでしょう。
――だからこその30%の数字。
子持ちじゃなきゃ、こんなのどうでもいいですもんね?
あとは、子供にエアコンなんて贅沢、そんなのに税金を使うなんてけしからん、っていう人たちでしょうか、反対票は。
今回は“エアコン”問題だけど、それを除いても、どれだけ若い世代の声が政治に反映されにくいのか。
今回の件はそれが如実に現れた気がします。
今後の超少子高齢化社会に向け、投票できるのが18歳からなんてむしろ遅い、義務教育を終えた15歳から投票できるようにしたらどうか?
……それでも焼け石に水、という気がするけれど。
ご年配の方々には、こんな状況を作り上げてきた責任を取る意味も兼ねて、もう少し若年層を思いやってくださらないかなぁ、と思うんですよね、こういうの見ると。
スポンサーサイト