――と。こちらの企画も今日で6日目。
第6弾として挙げるのが――こちら、「
銀のトゲ
」。


昨日のがあまりにメジャーな作品だったので、今日は思い切りマイナーと思われる作品です。
舞台は平安時代の日本は京の都。
主役はかの有名な源頼光率いる四天王の一人、渡辺綱と、彼にまつわる寓話として有名な『茨木童子』。
かの逸話は、京都の「清明神社」でも紹介されています。
私は吸血鬼が大好きでたまらないのですが、これは登場人物としてのモチーフ。
物語の舞台としては、中世ヨーロッパ風なのも好きですが、和風で言うならチャンバラ的江戸時代や、戦国時代よりも平安時代が好きなのです。
つまり、これは私の好きなものの組み合わせでできた物語。
当然、嫌いなわけがない――と。
定義としては「吸血鬼」だけれど、どちらかというと髪と目の色の違う「異形」という扱いの茨木。
「俺の血以外吸うな!」と口を酸っぱくして言う綱の血は茨木曰く「野菜の絞り汁」のごとく不味いらしく、度々姫の「極上の酒」のように美味な血を吸っては、姫に気がある綱に文句を言われる、という。
基本、綱のキャラのせいでコメディタッチなのに、いざとなるといきなりシリアスになる……。
特に、ラストなんか……
ただ、惜しむらくは。
この話、基本的に「渡辺綱」と「茨木童子」の友情の物語。
――故に。
恋愛要素が若干低め。
ヒロイン……ぽい立ち位置の女性は3名ほど登場するのですが……、一人は既に他界、一人は“恋人”というには若干難のある立ち位置。
一番“これから”に期待できそうな彼女とも、決定的な進展はないまま……。
個人的にはその中の一人、“梛”が好きで、彼女を応援していたのだけど――そこだけは、ちょっと不満だったかなぁ。
基本、島国である日本人は排他的な側面がある――それは、外国との交流が極端に少なかった昔の方が当然酷かったワケだけど、今も完全になくなったわけではなく、むしろ根強く残っているからこそ「ヘイトスピーチ」的なものがこうも問題になるワケで。
実は、同じ花夢コミックスにて、まさに同じ時代、「渡辺綱」と「茨木童子」を描いたコミック「
鬼の往き路 人の戻り路
」というのがあるんですが。
(こちらの茨木童子はいわゆる“吸血鬼”ではなく、普通に“鬼”として扱われています)
銀のトゲの渡辺綱はごく普通の人間として描かれていますが、こちらの渡辺綱は異能者という設定。
この辺のキャラの違い、比べると中々面白いんですが。
世の中、「フツー」から漏れた“少数者”には厳しいですから。
ほんのちょっとでも、気にしてみる機会にするのも悪くはないかと……。
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