

空家だったはずの隣家。……しかし、ある日学校帰りに謎のじい様に「凶相」やら「火難の相」が出ている、と、突然訳のわからないことを言われ、後を追って行くと……突然、見知らぬ場所へ。――なんと、平安時代の京へタイムスリップ……。
と。設定自体はありがちな話なんですが。――その、登場人物が……。
ヒロインはごくフツーの、特に特殊能力もない女子高生、ヒーローは……まあ、ひとまずは“剣の腕の立つ陰陽師”。
ちなみに先述の「謎のじい様」というのが、安倍茗明(あべのめいめい)。……どう考えても安倍晴明を意識したネーミング、な、ワケですが。
それ以上に気になる名前が……。
「深川匡臣」。――この作品の作者、片瀬由良氏の過去作、「
愛玩王子
」シリーズを読んだことがあれば、ピンとくるはず……。
「
愛玩王子~古都の恋詠~
」にて、妖狐の九重ちゃんがらみの事件で出てくる名前にして……、魔王パパの“偽名”……、だったはず。
「
愛玩王子~未来への翼~
」でも触れられていたとおり、「陰陽師見習い『深川匡臣』(魔王パパ)」、「式神『千歳』(フォルカス)」、「武士『獅子丸』」とで平安時代の京に住み、安倍晴明に見出された「匡臣」は、陰陽生として出仕していた――、はず、が……。
今作にて登場するのは前述のとおり安倍“茗明”。そして同居人は女房「蜜」。(女房って妻って意味じゃなくて、平安時代の女性使用人の方です!)
――ルルル文庫の仕様上、表紙をめくってすぐのページに人物紹介があります。……が。
残念ながら「愛玩王子」と「お隣は平安京」、絵師様が違い……。前作は凪かすみ様、今作は杏堂まい様、と……イラストでの確認は難しく……。
あとがき等で作者が触れてくれてないかな……と、期待するも……特にこれにかんする記述はなし。
けれど、読めば読むほど「深川匡臣」氏が魔王パパに、そして「蜜」がフォルカスにしか見えなくて……。
正直メインストーリーよりそっちのほうが気になってしかたなかったり……。
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