

隣国コンラートからグラディアトリアへ戻ってきたスミレとヴィオラント、そして彼らに同行したルータス。
ウィオラントの私室と、野咲家のリビングを隔てる異世界の壁は確かにあって。
ようやく出自が判明したセバスチャンが、今回の功労者。「セバスチャンの功績」のあのシーンはなかなか凄かった。
そして念願かなってスミレの家族と対面を果たしたヴィオラント――の調子は正直これまでと変わらないので。新たに登場したスミレの家族のそれぞれの反応が楽しいです。
それにしても、スミレの家族はもちろん、幼馴染みたちも随分心の広い方が多いようで。さすがにちょっと都合良すぎないか? と、思わなくもないけど。
個人的に、ルドヴィークが可愛くてたまらないのです。
隣国コンラートの王族兄弟に巻き込まれた彼が、前巻でのラウルの姿に重なりました。
――スミレやアーヴェルじゃないけど、思わず頭を撫でてやりたくなるような……。
全巻通して、ストーリーは少々出来過ぎ、というかぽんぽん上手く行き過ぎという感じは否めませんが、その分登場人物たちが皆個性的で楽しく、全体的にはかなり面白かったと思います。
せっかくだからヴィオラントの日本見物的な番外編も読んでみたいな、と思えるくらいには楽しかった。
――実際に出ている番外編は主役がクロちゃんことグラディアトリア宰相クロヴィスのようなので。
こちらはまだ単行本でしか出てなくて、値が張るので……、ちょっと様子を見つつ、機会があったら読んでみようかな、と思っております。
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